『古民家再生プロジェクト現場見学会』レポート

投稿者:在校生

校舎:東京校

みなさんこんにちは!
今回ブログを担当します、インテリア専門科1Dクラスの足立紗歩里です。

平日金融業界で働きつつ、週1回、日曜日に町田ひろ子アカデミーに通っています。現在30歳ですが、なんとも引っ越しの多い人生で、これまで住んだ家は9か所!(約3年に1度は引っ越しをしている計算です(笑))
また、仕事では、賃貸不動産に関わる業務を担当していることもあり、「住まう」ということについて自然と興味がわいていました。そんな時に出会ったのが町田ひろ子アカデミー。
アカデミーの合言葉とも言うべき「はじめに暮らしありき」という、コンセプトに惹かれて入学しました。

「はじめに暮らしありき」というのは、
「まず家があって、そこに合わせて人が住む」のではなく、
「まず住まい手がいて、その人の暮らしの充実を叶えるために、インテリアコーディネートをする」という考え方。
それを実現するために必要な考え方や知識、技術を勉強しています。

毎週の課題は大変ですが、ステキな先生やクラスメートに恵まれて、日曜日が楽しみな最近です。
さて、今回のブログでは、先日参加した、『古民家再生プロジェクト現場見学会』のレポートを書こうと思います。このプロジェクトは、町田ひろ子アカデミーで建築を教えて下さる一級建築士の高橋孝栄先生が築150年の古民家を再生されたもの。

旧農家だったものを住宅(orゲストハウス)へ変更。
壁、建具等を補修、耐震補強、断熱処理しながら土間スペースを復活し、現代的な生活に対応した住まいへリノベーションされたのです。画像が荒くて申し訳ないですが、以下のような大変身を遂げています。

<BEFORE>

<AFTER>


見学会の現場では、施工会社の方が、大変親切で。愛情たっぷりにこの古民家について教えて下さいました。(ありがとうございました!)

その方よると、この古民家は、立派な大黒柱があり、梁がしっかり通っていて、一流の日本家屋だそう。
とてもしっかりした古民家だったらしく、今回は構造面では、束石だった基礎をコンクリートでやり直し、耐震筋交いを施して地震対策を行ったくらいで、「先人の建築技術はすごいなと思った」とのお話でした。

<基礎>

見えづらいですが、基礎がコンクリートになっています。

<耐震筋交い>

バッテンになっているのが今回新たに追加した筋交です

<大黒柱(と私(笑))>

この家を支える大黒柱(と私(笑))

<梁>

松だそうです

各部屋の建具をすべて開け放すと、土間から奥のお庭まで繋がります。
風通しが良く、夏でも涼しい造り。
湿気は天井の「うだつ」から出ていく仕組みだそうです。
これなら、暑くて湿気の多い日本の夏でも快適です。
クーラー頼みの現代ですが、昔の人たちは家の造りで快適性を確保していたんですね。

<一続きの部屋で風が通る>

土間から奥の庭まで一続き

<天井> 

ちょん と空いた穴が「うだつ」だそうです

この古民家は木造ですが、築150年も自然に晒されながらも湿気で腐ってしまわなかったのは、この屋根のおかげだそう。つばの広い帽子のように、家に雨がかからないように守ってくれていたそうです。先人の知恵はすごい。

<屋根>

そして、今回の再生プロジェクトで何よりステキに生まれ変わったのが、土間。自然と人が集まりたくなるような空間になっています。表から裏手まで一続きになっていることと、高い天井により、とても広々として開放的な気分が味わえます。
そして、真ん中が囲炉裏になっているテーブル。これが何とも新しくて!
囲炉裏といえば、ふつうは床にあるものですが、テーブルでの団欒に慣れた現代人にも使いやすいテーブル囲炉裏です。

<土間>

とても開放的

<囲炉裏>

真ん中のオレンジ色の場所に炭を入れるのです

<キッチン>

土間のすぐ近くにキッチンが2か所。その内1つはシステムキッチン。
利便性がしっかり確保されています

あとは、ディテールの部分でステキだったあれこれをご紹介します。
もう、本当にカワイイくてたまらなかったのが、ガラスや欄間。
昔のまま、再利用できるガラスや欄間はそのまま活かして利用したそう。
昔のガラスってホントカワイイですね。そして、モダンな欄間もステキです。

<ガラス>

<欄間>

日本の歴史的建造物が、高橋先生の修復・復元によって、新たな命を吹き込まれ、現代の住まい手に合わせた住まいに生まれ変わった今回のプロジェクト。

かつての家職人の方の技や知恵や、過去の住まい手の美意識の記憶を承継しながらも、現代人の住みやすさを中心に考えられた、まさに「はじめに暮らしありき」なリフォームだなと感じました。

私たちは、新しいものに目が向きがちですが、今回、昔ながらの日本家屋に触れ、その良さを感じました。

思えば、金沢や京都、大阪の堺市などで町屋を保存し、観光資源として利用している例に触れたことはよくありますが、都市と離れているが故に観光に向かないような場所にもたくさんの素晴らしい古民家があるはずで…。
そういった古民家が誰にも利用されずに朽ちてしまったり、取り壊されてしまうことはとてももったいないことだなと思いました。

住まいを選ぶ時には、とかく利便性を最重要視しがちな私たちです。
(ターミナル駅から何分だとか、スーパーやコンビニ、病院、学校などの生活利便性施設が近いだとか)
でも、本当にこころが満たされる豊かな生活というのは、利便性の追求とは違う方向にあるのかも知れないなと思いました。

ちょっと不便な場所にあるけれど、素敵な古民家。そういう物件に、今後もっとスポットライトが当たるといいなあ!

東京校 インテリア専門科1D 足立紗歩里